違和感

2週間ほど前から消えない違和感。おかしい。何かが間違えてる。何かがずれてて、だれかが何度も肩を叩いて「気づいて」と言ってる気がするけど、それが何なのか指差せない。直角が95度のパラレルワールドに迷い込んだような、エンドレスな10月に囚われているような、あるいは幻覚をみてるのかもしれない。おかしい、絶対に何かがおかしい。不幸の因果に絡み取られたのに、鍍金しか見えてないような、そんな感じがする。おかしい。違和感が募る。

昔の恋人の誕生日に見た夢

「おまえももう大人だから」と年上の親戚たちが座るテーブルに呼ばれ、妹や従弟にさよならと手を振り憧れのそちらへ移動したのだけど、アル中の大叔父に酒をお猪口にいっぱい注がれて、一気に飲めと好きでもないそれを飲干せば、「しきたりだから」とさらに注がれ、親戚一同赤い顔して笑ってるのがなんだか心地よく瓶もすぐに空けば、黒い鞄から一枚の紙と守刀を出した大叔父はやはり「しきたりだから」と言いながら指の先を傷つけ和紙に血判を押し、「今年は禁酒する」などと言いては隣に座る大叔母に笑われ、彼女の方は紙を受け取ると「今年こそ禁酒させる」と宣言しつつやはり判を押し、さらに円卓を時計回りに巡るようそれは渡され、どうやら血のにじむ親指を跡させながら「今年の抱負」を言えばいいのだと気づくけど、いざ自分の前に紙が置かれたときには何を言えばいいのだろうか、わからなくて、でも子供卓では見知らぬ赤子がすでに自分の席を占拠していることを視界の隅で捉えつつ、儀式を完了できずに輪から蹴りだされたらどこへ行こうか考えるのに必死になりながら空っぽのお猪口を見つめている、という夢を見た。

ill give U all my luv

台風の去った夜、開いてるコンビニ探しがてら新宿の飲食店街に向かったら、溺れたと見られる膨れ上がったネズミの死体がありました。毛が剥げて、真っ白でした。道端には、脚を折ったのか、威嚇を繰り返すも一歩も動けぬ個体がいて、あの子も今は死んでいるのかな、と今朝ふと思い出しました。怒れる神の手より放たれたねずみたちは、ただ近づきくる炎に目を瞑りて、決定された絶望へ落ちゆくしかないんだと思いました。

通常営業のお知らせ

遺書のつもりで書いた懺悔も、死ねなきゃイタい戯言だね。また今日から同じこと繰り返して、またいつか誰の気にも留まらぬ死ぬ死ぬ詐欺して、また今みたいな気持ちになりながら、鞄から白いビニール紐を取り出し仕舞うんだろうね。回した洗濯物を干すのがめんどくさいのも、変わってない。もう嫌と思いながらも空腹感だけはあって、一週間前に買った鍋の材料と異臭を放っているだろう鶏肉を、腐り捨てられるために殺された鶏を、本来なら今朝は同じ匂いを放っているはずの自身の肉を、思う。「アラサー」まであと二週間くらいなんだなあ。

ほたるのひかり

なにか言うため口を開くとき相手が一瞬笑みを浮かべたり、同じタイミングでグラスを持ち上げたり、好きなものや個人的なことを教えてくれたり、会うといつも晴れてきたり、そういうのは相手が自分に好意を持っていることの象徴だと知ってるけど、多分それは愛情に基づく抱擁でなく憐憫の暗喩でしかないんだろうな、と、この前人と話してるときにふと気づきました。高校の頃使ってた弓道用品がカビてると先日見つけたのも、数日前に愛用のイヤホンが突然壊れたのも、今日の急に冷たい風も、きっと全部なにかの象徴なんだと思います。学校を休んでベッドで見た夢の中ではなにかに追いかけられていて、なのに、どんなに走っても高校の狭い校舎から抜け出せませんでした。多分本当は行き止まりへ逃げることで注目されたいだけなんだと思います。さっきタンスの上から飛び降りたコップが水とガラス片を部屋中にぶちまけたのも、預言なんだと思います。あるいは、最初から何も意味なんかないし、ただ可哀相な自分という演技を正当化して他者を都合よく利用し振り回してるだけなんだと思います。だからほっといてください。色々拗れちゃったもうよくわかんない。ごめんね。ごめんなさい

まばたき

次目を閉じたとき、二度と開くことがなければいいのにと思うけど、人は瞬きじゃ死ねない。自死はあらゆる選択肢より導出された当然の帰結に思えるけど、やらなきゃいけないこともできないのに、わざわざビルの屋上探すのもだるい。辞めることすら綿密な計画と圧倒的な行動力がいるとか、めんどくさ。レ・ファニュみたいに夢に飲まれたい、悪夢で迎える死は少なくとも無意味にループされる現実よりかはマシでしょ。